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OWNEDMEDIA オフィス・事務所移転時の
原状回復費削減ノウハウ

2020.12.24

原状回復工事ガイドラインとオフィス移転


国土交通省は原状回復工事についてトラブルが多いことから、平成10年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を制定し、平成16年、平成23年には裁判事例、Q&Aを追加し改訂しています。

ただし、原状回復のガイドラインは、民間の賃貸住宅をターゲットとしたものであり、事業用のオフィス、店舗は含まれておりません。

しかし、オフィスや店舗など事業用であっても使用状況によっては、原状回復ガイドラインが適応されるのが妥当とされることもあります。

ガイドラインが適応される小規模オフィス

社長と従業員数人の規模であるため、一般的なオフィスではなく、住居用マンションの一室をオフィスとしている場合や、マンションやアパートをエステサロンにしている場合、原状回復ガイドラインが適応されることがあります。

小規模であっても、入居時にスケルトン状態から工事した場合や、構造を大きく変更している場合は、ガイドラインは適応されません。

あくまでも住居用と使用状況がほぼ同じであると考えられるときに適応になると考えましょう。

原則、賃貸借契約書が優先される

原状回復ガイドラインと賃貸借契約書の内容が反する場合もあります。この場合は賃貸借契約書が優先されます。原状回復ガイドラインに記載のとおりにはならない場合がありますので注意が必要です。

原状回復はどこまで?

原状回復工事において、最もトラブルになる可能性のあるポイントが「どこまで原状回復するか」です。

ガイドラインでは、原状回復とは借りた時点(契約開始時)の状態に戻すことではないとされ、経年によるクロスの変色などは入居者の負担ではなく、オーナーの負担となっています。経年によりクロスが変色したから、原状回復工事でクロスを貼り替える必要はないということです。

ただし、クロスにシールを貼り付けた、装飾を加えた場合、入居者負担でクロスを貼り替えることになる可能性があります。

原状回復工事の範囲は、耐用年数を考慮する

原状回復工事の範囲は、耐用年数を考慮する

オフィス、店舗に設置してあるカーペット、クロスなどは耐用年数が6年、木製の戸棚は8年、洗面台などの給排水設備は15年と定められています。

※耐用年数とは、償却資産税を計算するとき使用する耐用年数のことです。

ガイドラインでは耐用年数後(カーペットなら6年)に残存価値が1円になる直線(曲線)を描き、退去時の価値を算出し入居者とオーナーの負担割合を決めるようになっています。

ただし、入居して6年後に退去するとなったとしても、クロスに絵を描いていたり、壁の下地に補修が必要な程度の穴をあけていたりしたとしたら、そのままでは使えませんので、補修費用(原状回復費用)を入居者が負担する必要があります。

また、オフィスでペットを飼育している会社などの場合、そのまま次の入居者に入ってもらうことができないことが多いため、入居者の負担で原状回復工事を行うことになります。

さらに、ガイドラインよりも賃貸借契約書が優先されますので、「退去時にクロスの張替え」が原状回復として契約書に明記されていた場合、クロスが綺麗であったとしてもクロスを貼り替える原状回復工事が必要になります。

原状回復工事のグレードアップに注意

原状回復工事が必要になったとき注意すべきことは、原状よりもグレードアップする場合です。

スケルトン状態に戻す原状回復工事の場合は関係ありませんが、居住用マンションをオフィスとして使用しており、退去時にクロスの貼り換え工事が必要になったとき、以前使用していたクロスよりも高価なものに貼り替えた場合、原状回復ガイドラインではグレードアップとみなされ、グレードアップ部分の費用はオーナー負担になります。

原状回復工事の見積書を確認する際は、グレードアップする仕様になっていないか、確認するようにしましょう。

原状回復は出口ではなく入口戦略が大事

原状回復は出口ではなく入口戦略が大事

多くの方は、原状回復を出口だと勘違いしています。ガイドラインやトラブルの事例を紐解いてみると、賃貸契約時にどのような契約にするのかが最大のポイントといっても過言ではありません。

オフィスや店舗を借りる前から、退去時に行う原状回復工事をどこまでするのか、工事の区分を明確に定めておく必要があるのです。

テレワークが一般化しオフィス縮小化の流れがある2020年は、オフィス移転先にマンションを選択してもおかしくはありません。新しいオフィスの契約をするときは、必ず退去時のことまで考えて契約するようにしましょう。

原状回復工事はプロに相談しよう

本来であれば、原状回復は出口ではなく入口戦略が大事なのですが、オフィス移転が決定され、原状回復工事が必要になったときに、慌てて勉強して交渉するケースが多いように思えます。

「今回の原状回復工事は諦めて、次回までに準備しておこう・・・」と思う必要はありません。今回の原状回復工事であっても、10坪以上であれば原状回復工事のコンサルティング会社に間に入ってもらい、トータル費用を抑えられる可能性があります。

善は急げ、早速相談してみましょう。

この記事を書いた人

柳澤 英一郎

 

株式会社JLA 執行役員 
「原状回復」コンサルタント

過去2000件以上の査定経験がある。 ◇担当者からの一言 ゼネコンや大手デベロッパーなど多くの見積書で査定を行ってきました。 各社で特徴や利益構造も異なりますが、公平かつ適正な査定を見据えて、毎案件を確然たる意識で対処いたします。

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