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OWNEDMEDIA オフィス・事務所移転時の
原状回復費削減ノウハウ

2021.5.10

店舗の原状回復はどこまで?費用とトラブル

店舗の原状回復


店舗を閉店し賃貸テナントから退去する際、物件の内装を契約書や特約の内容に沿って戻すのが原状回復です。同じ原状回復という言葉でも住宅と店舗では全く異なります。

居住用と異なる店舗の原状回復の範囲とは

居住用物件の原状回復の範囲

居住用物件であれば、経年劣化や自然損耗、通常損耗は貸主(大家さん・ビルオーナー)が負担し原状回復します。居住用物件は、内装工事や造作を行わない事がほとんどなので、通常損耗・経年劣化は予想できるため、月々の家賃に通常損耗などの補修費用を含めることが可能だからです。

<参考>国土交通省:原状回復をめぐるトラブルとガイドラインに示されている原状回復

「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反(注)、その他通常の使用を超えるような使用による損耗、毀損を復旧すること」・・・入居時点と同じ状態に戻すことではありません。

店舗やオフィス・テナント物件は原状回復の範囲が物件ごとに異なる

店舗やオフィスの場合は賃貸借契約書や特約の内容により、入居したときと同じ状態に戻す原状回復が必要になるケースが大半を占めます。

店舗は、使用状況が業種業態によって大きく異なり、月々の家賃に通常損耗などの分を含めることが困難である点と、テナント負担で内装工事(入居工事)を行っていることが多いからです。

どこまで原状回復が必要なのかは、物件により異なります。入居時に締結した賃貸借契約書・特約に明記されていますので、ご確認ください。

また、会計処理で入居工事の費用を資産計上しているはずです。帳簿もあわせて確認することをおすすめします。

<契約書や特約に明記されておらずトラブルになった判例>

賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか,仮に賃貸借契約書では明らかでない場合には,賃貸人が口頭により説明し,賃借人がその旨を明確に認識し,それを合意の内容としたものと認められるなど,その旨の特約が明確に合意されていることが必要である(最高裁 平成17年12月16日第二小法廷判決)

また、住居用マンションの一室を事務所として、住居用と同じ状態で賃貸している場合、住居用と同じ原状回復で良いとされた判例(東京簡裁 平成17年8月26日判決)があります。

店舗の原状回復費用は高額

店舗の原状回復費用は高額

一般的に店舗の場合、住居用と異なり壁紙や天井のクロスを貼り替える、間仕切り壁を解体する、内装を取り壊すなど入居時点と同じ状態に戻してから退去する必要があるため、原状回復工事費用が高額になりがちです。

居抜き店舗で入居した場合でも契約内容によってはビルの構造体が見える(コンクリートが見える)スケルトンに戻さなければならないこともあります。

また、店舗物件は賃貸借契約書や特約で、ビルオーナーが指定する業者で原状回復工事を行うことを義務づけられていることも高額になる理由のひとつです。

特に飲食店は、給排水設備工事、厨房機器の処分、空調機器や排水設備のクリーニングなどがあるため、オフィスよりも原状回復費用が高額です。

居抜き物件の原状回復は少ない?トラブルの原因?

飲食店が入退去する際、原状回復や入居工事が高額になってしまうことから、店舗内装をそのまま次の借主に譲渡(造作譲渡)する居抜き物件があります。場合によっては、ほぼ無償で譲渡する場合もあります。

新しい借主(後継テナント)にとって入居工事費用が抑えられ、元の入居者にとっても原状回復費用が抑えられるメリットがある反面、原状回復義務も新しい借主に譲渡されますので、注意が必要です。

スケルトン物件の原状回復義務は契約書でチェック

居抜き物件として入居したとしても、元々はスケルトン物件であったため、退去する際はスケルトン返しをしなければならないこともあります。

居抜きで什器などの設備を前の入居者から引き継いだとき、原状回復義務も引き継ぐことになるからです。入居時は居抜き物件として内装がある状態で契約し費用を抑えられたため、退去時も同じ感じだと思っていると痛い目に合います。

退去時に原状回復でスケルトンに戻さなければならないことを把握しておらず、原状回復費用が高額になりトラブルになることがあるのです。

もちろん、次の借主が見つかり居抜きで退去できるケースもありますが、居抜き退去を希望していても時期や物件の状態によってできないことも考えられます。

最近は、飲食店だけではなく店舗・オフィスでも、居抜き物件が増えてきましたのでご注意ください。居抜き物件を考えられているのでしたら、退去時のトラブルを防止するためにも、契約する前に賃貸借契約書、特約の内容をしっかりと確認することが大切です。

また、居抜き物件(造作譲渡)として退去することを考えているのなら、トラブルになる可能性が高いため専門家に間に入ってもらい交渉することをおすすめします。

リノベーションや修理をしているとき

長年、同じ物件を使っているとリノベーションや修理をすることがあります。リノベーション工事などで、入居した当時の状態がわかりにくくなっていることがありますのでご注意ください。

事前に建物オーナーと原状回復について打ち合わせをしておくことをおすすめします。

高額な原状回復やトラブルを防ぐには

トラブルを防ぐには?

移転が決まったら早め早めの行動

店舗物件の場合、原状回復は退去日までに完了している必要がありますし、解約手続きが煩雑です。居住用は退去してから原状回復を行うため、居住用の感覚で行動すると退去日までに工事が完了せず、余計な出費(遅延損害金など)が増えてしまいます。

移転が決まったら、まず原状回復工事の見積書取得をする行動をしましょう。見積もりが提出されたら、内容を確認し余分な工事が入っていないか、施工範囲は正しいか、価格は適切かどうかを確認し、不明な点は早めに回答をもらうようにしてください。

賃貸借契約書・特約の内容を確認

スケルトン渡しで退去するのかなどの原状回復の範囲は、賃貸借契約書または特約に記載されていますが、内容があいまいな場合があります。

もし、入居してからの年数が経っており、内容が正確に理解できない場合や現状と契約書で内容が異なっている、事前に聞いていた情報と違いがあるのならば、トラブルになる可能性がありますので、専門家の力を借りて交渉するようにしましょう。

専門家の力を借りる

貸主(ビルオーナー)は「テナント物件なのだから、通常損耗を含めて原状回復する」のが常識だと考えているが、テナント側は「通常損耗まで回復すると契約書に記載されていないから通常損耗の原状回復は不要」と解釈しトラブルになった事例(大阪高裁 平成18年5月23日判決)や、不慣れな建設・不動産業界に翻弄され予想以上のコストが必要になったケースなどが多々あります。

また一度トラブルになると訴訟費用や弁護士費用が必要となり、経営的にもマイナスになる可能性が出てきます。

専門家の力を借りることで店舗移転や原状回復をトラブルなくスムーズに行い、かつトータルコストを削減することができますので、「難しそうだ」「トラブルを回避したい」「トータルコストを削減したい」と感じているのなら、専門家に依頼するようにしましょう。

この記事を書いた人

柳澤 英一郎

 

株式会社JLA 執行役員 
「原状回復」コンサルタント

過去2000件以上の査定経験がある。 ◇担当者からの一言 ゼネコンや大手デベロッパーなど多くの見積書で査定を行ってきました。 各社で特徴や利益構造も異なりますが、公平かつ適正な査定を見据えて、毎案件を確然たる意識で対処いたします。

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